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スキップとローファーが好きすぎる

スキップとローファー、初めて読んだのはDMMブックスのお試し期間だった。


1~3巻まで読めてしまう大盤振る舞いで、なんとなくタイトル聞いたことある気がするし~と軽い気持ちで読んだ。

最初表紙を見たとき、少女漫画なのかな?と思ったけど、少女漫画ではなく、そして恋愛がメインの漫画じゃないんだ、と思ったのが一番最初の驚き。
なんとなく「君の届け」を思い出して、主人公のみつみちゃんと、イケメンな男の子として登場する志摩くんは、お互い理解者みたいになっていって、後々恋愛関係に発展するんだろうか?と思って読み進めていたけど、思ってたんとは違った。
でも、すごく読んでて楽しい。

恋愛においてのすったもんだはあまりなく、いや、なくはないんだけど、日常に散りばめられている程度。
大きな事件やトラブル、夢を追うための壮大な修行や葛藤、修羅場などもなく、学生生活とその人間関係がひたすら丁寧に描かれている。
登場人物たちの心理描写がものすごく繊細で、自分が高校生ぐらいの頃だったらきっと言語化できていなかったモヤモヤが、ここにある…!って思った。言語化できたとして、自分がみつみちゃん(主人公)のような結論が出せたとは思えないけど…。

進学したり、就職したり、誰もが通る、新しい人間関係が始まるタイミング。
そういうとき、多かれ少なかれ悩みはあれど、なんとなく過ごしているうちに人間関係は新しく構築され、そのまま過ごしていくんだと思う。

スキップとローファーの好きだなって思うところは、この「なんとなく無意識に自己解決してきたことたち」の描き方。
それとなく、人の顔色を伺ったり、空気を読んだり、気を遣ったり、時には失敗してしまったりして、人間関係ってできていくんだと思うんだけど、ここの構築の中で考えてることって、実際は無意識だったけど、本当はそこに至るまでの思考プロセスがたくさんあったのかもしれないなって今更ながら思う。

スキップとローファーを読んでいると、それが形になって差し出された感じがする。
あ、こういう考え方、悩み方があったか。とか。
ちょっと見に覚えあるかもな。とか。
これは自分にはできないな。とか。

そういう、見に覚えのある気持ちと、新しい価値観と、優しくミックスして教えてくれるような感じ。

あとは、描かれる人間関係がとにかく繊細でエモい。
この、眩しくて思わず泣きそうになってしまうのは一体なんなんだろう。

特に、7巻でのゆづとまこっちゃんの、夜の公園のシーンは、何回も読み返して、何回も泣いています(7巻・39話「うだうだの帰り道」)。
なんであんなに泣けるんだろうか…。
お話やセリフはもちろんだけど、絵もね、素敵だからかも。
表情の描き方がすごくて、多分私は同じ顔しながら読んでる。
ノローグなくても、何考えてるかちょっとわかっちゃうの、すごいなって思う。

どのキャラクターもみんな魅力的で大好きなんだけど、特に好きなのはミカちゃん。読み進めるごとに好きになっちゃうキャラ。
最初は、みつみちゃんに当たり強いし、恋のライバルというか、当て馬というか、そんな立ち位置なのかなって思っちゃったけど、人間が生きてる世界に当て馬なんていないんだよな。
先日放送されたアニメではミカちゃんにやたらと感情移入してしまい、ピックアップされるシーンがあるたびに泣きそうになっていた。

みつみちゃんにバレーを教えてあげているシーン(2巻・8話「チクチクの個人練習」)。
1年生が体育館使う日なのに、上級生たちが使ってて、声をかけても無視されて。そんなとき別の上級生が叱ってくれる。そんな様子を見て、無視した上級生を許せまいと心に刻んだミカちゃんと、注意してくれた先輩素敵ね、と思うみつみちゃん。その状況を目の当たりにして、自分の小ささを感じ、そんな自分なんて…と落ち込むミカちゃん。

いや、わかるよ!嫌な奴って忘れられないよ、ミカちゃん。
心の中の許さじノート、みんなあるよ。だから気にすんなよってミカちゃんをハグしたくなるくらい、心がギュッとなってしまった。
ここからさ、またしばらく経ったあとのバレンタインデーの話よ(6巻・31話「バクバクのバレンタイン2」)。
あのミカちゃんにまた泣かされる。迎井………!!!!!!!

自分にも身に覚えがあるからこんなにミカちゃん好きなんだろうか。
普段は自分の弱さ曝け出すまいとがんばって、弱みを見せるわけにはいかねえと努力して、端から見たら「ちゃんとしてる」自分を作り上げてるけど、その実、誰よりも自信なんてなくて、自分を好きじゃない。
「本物」に出会ってしまったら、途端に足元が崩れてしまう。それが怖いから拒絶したいし、離れてほしい。みたいな。

でもそんなミカちゃんも、みつみちゃんに出会って、関わっていくうちに癒やされているんだろうなというのがわかる。そこがスキップとローファーの救いで、読んでるうちに自分の心の隅に追いやったものも、みつみちゃんに癒やされてるんだろうな。

書いていたらまた1巻から読み返したくなってきた。

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まだ全然追いつける!