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少年社中「テンペスト」見てきた

2024年、最初の遠征と現場は舞台現場になりました。

 


少年社中の舞台は、「贋作好色一代男」と「三人どころじゃない吉三」、「ロミオとジュリエット」を円盤で見たことがあって、どれも話や演出が好きだし、一回生で見てみたいな~…鈴木さん(拡樹の方)が出るなら…って常々思っていたんです。
待ちに待った機会だったので、他の現場かぶるな!と祈ってチケット取って、無事に被らずに見に行けました。

 

シェイクスピアの「テンペスト」が原作になっているということで、知っておいたほうがいいのかな?って思ったものの、少年社中の他の作品で原作があるものも、その作品は知らなくても面白かったし、公式からも知らなくてOKという触れ込みがあったので、何も知らないまま見に行きました。

暗転して始まるのではなく、客電の明度が若干落ちたくらいでステージに萩谷さん演じるゲキが出てきて舞台上に座り、その後「劇団 虎煌遊戯」の前説が始まって物語がスタート。
劇場や客席も演出の一つとなって進んでいくスタイルは、映像じゃなくて生で観劇しているライブ感をより一層高めてくれる感じがした。
最近あんまり観劇に行けていないせいか、こういった参加してる感じのスタイルが、「あぁ生で見に来てるんだな」って実感して嬉しくなった。
前説の途中でギンの怒号が飛び、ステージ上、そしてステージ裏のシーンを行き来するスタイルでお話は進んでいく。

 

虎煌遊戯が上演している「テンペスト」が、ギンの復讐や、劇団が直面している問題とリンクしていき、劇中劇の芝居としてのセリフだけじゃなく、登場人物たちの言葉として紡がれていく。
エンタメを取り扱っている作品ではよくある展開というか、演出だけど、こういう「作品」と登場人物たちの心情やセリフがリンクするのが個人的にめちゃくちゃ好きで、
そういう作品なんだなって気づいて「あ~すごいこのお話好きかも・・・!!!」と思いました。
昭和元禄落語心中で、田舎の旅館で助六が「芝浜」を演じたシーンがすごく好きなんですけど、私ってこういう演出のお話が好きだったんだな、って今更気づいた。
音楽を扱ってる作品で、物語のキャラクターたちの心情が作った音楽になって発表されるシーンとか。ああいうのもめっちゃ好き。

多分、自分がバンドを推してるにあたり、その人たちの物語の延長上に曲がある、みたいな、そういうバンドが好きだからかもしれない。
曲が作られるにあたって物語なんて必要ないと思う人だっているし、そういう音楽だってもちろん好きなんだけど、自分のハマりやすい条件としてそういうのがあるみたいです。
演劇や漫画やアニメや映画など、物語の中の劇中劇や音楽などでそういうのやられると、一気に登場人物の「人間」を感じて勝手にエモくなっちゃう。

さらにこの少年社中の「テンペスト」は、「演劇」ってどういうものか、みたいな大きなテーマもあって、演じている役者さん自身も、セリフが自分の気持ちとリンクしたりすることもあったんじゃないかなあと思いました。
そういうニュアンスのセリフが劇中にあったんですけど、台本を買っていないので正確にはわかりませんすみません夢かも。
二重にも三重にも物語と人の気持ちがリンクしている作品だな、と思ったのでした。

 

鈴木さん(拡樹の方)が目当てで見に行ったといえばそうなんですが、お話が好きだな~!!!っていう感想で帰ってきました。
鈴木さん演じる「ラン」のいろんなお芝居が見れたのはとても嬉しかったです。
(ラン、ラン演じるエアリアル、ゲキが乗り移った状態のラン、ゲキが乗り移ったランが演じているエアリアル
初見のとき、ラン演じるエアリアルにかなり既視感があって、ジー◯ーすぎないか…?と思っていたら、実際意識してるっぽい…?日替わりでいじられてたからおそらくそうなんでしょう。
衣装が儚げで、わりと妖精らしい妖精だったから、あんな愉快なタイプの妖精だと思わんかった。
舞台上にたくさん人がいるシーンが多かったので、人が話している後ろでどういった表情をしているのか、等を観察するのが好きな身としてはそれも楽しかったです。

鈴木さん(拡樹の方)以外の方は、生で見るの初めての方ばかりで、でも名前は知ってる人が多いから「これが、あの…!」っていう感じで見てました。

本田礼生さんは一期一振しか見たことなかったんですが、ヒナタが面白可愛くてめちゃくちゃ好きでした。後輩というより、カグラとシュンの強火オタク、みたいなキャラクターも良かったです。
二人が去ったあと「…かっけぇっ!!!」って壁に崩れ落ちるシーンが一番好きでした。間が最高。
シリアスなシーンが続いてもヒナタが笑いを持ってきてくれて安心する感じもありました。エビフライになってくれてありがとう🍤
あとダンスうっっっっま。ってなりました。
ダンスがうめえひとはダンスがうまいんですね。

鈴木勝吾さんは詳しくは存じていなかったのですが、歌が上手、ということだけなぜか知ってて、劇中でほんのわずかに歌うシーンがありましたが超上手かったです。
あ~歌が上手い人の歌~~~~~最高~~~~もっと歌ってほしい~~~~って思いました。1シーンしか歌わなかったけど…。
序盤はカグラに対して諦念みたいなものがあるキャラだなって思ってたんですけど、終盤になるに連れて、熱い想いが溢れる男になっていきましたね。
舞台の公式ビジュアルではお顔見えてるんですが、劇中はずっとKISSみたいな白塗りメイクだったので、終わってパンフみて「あ、すごいかっこいい人…」と思いました。

矢崎広さん、私の中では戦国鍋に出てた人であり、贋作好色一代男の人というイメージです。
めちゃくちゃ自然に、そこにその人(カグラ)がいるようなお芝居をする人だなと思いました。
序盤の印象は、「俺がなんとかするから…」という控えめな声色で語る姿に、苦労人ポジションなのかな、って思ったりもしたんですが、シュンの想いが届いていなかったり、周りに頼らない、任せられない、というエゴが見えてきて、カグラはもうひとりのギンであり、だからこそプロスペローなんですよね…。

ゲキ役の萩谷慧悟さん、若くしてダンスも上手く芝居も上手く、そしてイケメン…すごいな…何者…??ってなり終演後にググりました。把握しました。
これでドラムも叩けるんですか…?天才じゃん……。

日替わりは2回とも安西慎太郎さんでした。
本当は納谷健さんが出演する回もあったんですが、体調不良で急遽安西さんが代理で出演されました。
26日の回は、帰ろうとするも引き止められて、好きな役者を聞かれ、矢崎広と答え、矢崎氏を褒めちぎっていました。どんな役者なんだ?という流れから、なだぎさんに「柱が燃えている」って言われてた。
27日のマチネは、全員並べ!と横一列にならび、14人でたけのこニョッキをする回でした。
できるまで終わらない!!!と安西さん演じる左近が言い出したので、成功させるべく大人たちが周りの様子見ながらたけのこニョッキするのかわいいなって思いました。
3回目?か4回目くらいで無事に成功してました。
1回目は最初に左近が「1ニョッキ」って言ったのに、直後にランが「1ニョッキ!!!」って言って全員が「え??????」ってなってのたが面白かったです。左近の話(声)聞いて。
あと本田さんと鈴木さん(勝吾の方)がかぶっちゃって崩れ落ちてたのかわいかったです。本気のたけのこニョッキするじゃん。

左近の遺書のシーン、すごくいいシーンだったのに喉が急に痒くなって咳き込みそうになり、咳よ出るな~~~って念じていたせいか集中しきれずまじで最悪でした。自分の喉が憎い(最悪な感想)。


配信されてた、松田凌さんの回もめちゃくちゃ見たかったんですが、初見は劇場で見たいしな…と思い、見ませんでした。見たかった………。せめて…もうあと1週間アーカイブがあれば…買ってた………。

 

お話大好きだったので円盤は予約しました。
三人どころじゃない吉三の2023年版も買うか悩んでます。
見に行けなけなかったんですが、これもお話が好きすぎる…。